ハリル流異色練習メニュー披露、ミーティングでは“ダメ出し”連発

サッカー日本代表合宿(24日、大分市内)バヒド・ハリルホジッチ新監督(62)の初陣となる27日のキリンチャレンジ杯・チュニジア戦(大分銀行ドーム)に向けた合宿2日目は、冒頭15分以外を非公開にして初の本格的な練習を行った。午前中のミーティングでは、昨夏のブラジルW杯での反省点をまとめたDVDを選手に見せ、“ダメ出し”を連発。練習ではロープを使った異色メニューで細部にこだわるなど、ハリル流を披露した。

 肌寒い大分で“ハリル・ゼミナール”が開講した。ハリルホジッチ監督は全29選手が集合したこの日朝、宿舎の一室で戦術ミーティングを開き、大声を響かせた。

 「君たちを批判するために見せているわけではない。質の高さは分かっている。しかし、できるのに、できていないから見せるんだ!」

 流れるDVD映像の中心は、1-2で敗れたブラジルW杯初戦のコートジボワール戦。クロスからの失点シーンなどに着目し、相手への寄せの甘さ、マークを簡単に外したDFのミスを「今すぐ改善できる」と指摘した。容赦ない“ダメ出し”は1時間続いた。

 午後5時過ぎからの練習は、ミーティングを踏まえた内容となった。初日は24分間のランニングだけに終わったが、この日は冒頭15分以外を非公開にして約2時間、戦術面を確認。メジャーを使って長さを測ったロープをDF陣に握らせ、距離感をたたき込んだ。

 ウオームアップですら、ピッチに100個超のマーカーを並べ、「(選手間の)前後は1メートル」「横の4人はラインを合わせろ」と細かく指示。GK西川は「10センチ、20センチの単位」と新監督のこだわりを説明し、FW本田はテレビのインタビューで「完璧主義者のような人なのかなと」。日本協会の霜田正浩技術委員長は「(気候は)寒いけれど熱い練習でした」と証言した。

 新指揮官は緻密さだけでなく、精神面も重視した。初開催となった23日夜のミーティングでは、「ピッチ内では心を鬼にする」と宣言。「勝つことを求めている。何をするにも自信だ。メンタルを強くしろ」と語気を強めた。

 ブラジルW杯では「自分たちのサッカー」を掲げ、パスをつなぐ攻撃サッカーを志向したが惨敗。FW岡崎は「その前に、激しさとかやることがあると思っていた」と同調。「大事なことを感じさせてくれる監督。世界と戦う上での最低ラインを示してくれるので、ワクワクする」と続けた。

 「短期間で僕たちの問題点をとらえているのは驚いた」とMF長谷部。27日の初陣へ、“ハリル・ゼミ”が熱を帯びる。